薬のチェックについて
発行人あいさつ
このたび、一般社団法人医薬ビジランスセンターは、医薬品情報誌「薬のチェック」の発行を、NPO法人医薬ビジランスセンターから受け継ぐことになりました。
薬のチェックの前身は、2001年創刊の「薬のチェックは命のチェック」(NPO法人医薬ビジランスセンター)と、1986年に創刊した「正しい治療と薬の情報」(医薬品・治療研究会)です。これら2誌を2015年に統合しました。
薬のチェックの発行の趣旨は、「薬のチェックは命のチェック」の創刊のことばで述べた通りです。
この創刊のことばの趣旨を実現するために、薬のチェックは、発行母体をはじめ、編集委員、編集アドバイザー、執筆者はいずれも、医薬品や医療機器の製造企業からの資金的、人的な援助を一切受けていません。本誌を購読してくださる一人一人の支えで成り立っています。
そして、2023年1月より、薬のチェックの編集・発行を一般社団法人医薬ビジランスセンターが受け継ぐことになりました。発行の趣旨をより明確にするため、一般社団法人医薬ビジランスセンターの活動を運営する社員(正会員)についても、医薬品や医療機器の製薬企業からの資金的、人的な援助を一切受けていない人で構成することにしました。したがって、名実ともに、そうした企業から独立し、科学的根拠に基づいて、医薬品や医療機器の「よい」「悪い」を判断して良質な情報をみなさんにお届けします。
国による医薬品の承認の条件は年々緩んできています。特に近年のCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)、いわゆる「新型コロナ」の世界的流行をきっかけにして、医薬品の「緊急承認」制度が新設され、医薬品が「特例承認」も含めて、有効性が「推定」されるだけで承認されるようになりました。
こうした状況のなかで、「薬のチェック」の果たす役割はますます大きなものになってきています。科学的根拠に基づいた、真に役立つより良い医薬品情報を提供すべく、努力してまいる所存です。多くの方々の購読をお願い申し上げます。
「薬のチェック」発行人
浜 六郎
定期購読者の支えにこだわる理由
その1 企業の利益でなく、人の利益を重視するから
薬のチェックの運営は、購読料によって支えられています。本誌には製薬企業や医療機器企業をはじめとして広告が一切ありません。
企業の広告や資金援助に頼らない独立・中立の立場で、科学的根拠に基づいて人々の利益になるかどうかを判断し、薬剤の有効性や害を判定しています。検討薬剤が「効かない」「害がある」場合、製薬会社に遠慮することなく指摘できるのは、運営資金の基本に購読料があるからです。
その2 目先の利益よりも健康で長寿を目指すから
企業発信の情報では、目先の利益が強調され、薬の使用が奨められがちです。しかし、薬のチェックでは、今かかえている苦痛を軽くするだけでなく、その人の体全体が健康になり、健康長寿になることを目指して、薬が必要な状態かどうか、よい薬かどうか、科学的な基準で判定しています。運営が購読料によって支えられているからできることです。